高齢者が入所している施設を何らかの理由で変更しなければならなくなった場合は、ご家族もご本人も大きな不安や迷いを伴います。ここではどんな不安や気持ちがあるか、また次の施設をどのように決めていったら良いかを私の経験も通してお伝えします。
今回私の母は発熱により入院しました。
病状が落ち着けば元の施設に戻れると思っていましたが、自力で痰を出すことが難しくなり、現在の施設は夜間の看護師さんがいないため対応ができないと言われました。
そのため、退院後は24時間看護師さんが常駐する施設に変わらざるをえなくなりました。
これまでは実家からとても近く面会に行くのも便利で、母も慣れた環境だったので「施設を変わる」という現実は家族をとても不安な気持ちにしました。
1. 本人への影響の不安

- 環境の変化で混乱しないか
特に認知症がある場合は、住み慣れた環境を離れることで強い混乱や不安が起きる可能性があります。 - 新しい人間関係への心配
職員や他の利用者と馴染めるかどうか、家族は気になります。
環境の変化。家族にとってこれが一番大きな不安になるのではないでしょうか。
母の場合は状態の変化により施設変更は仕方ないとは分かりつつ、家族としては何とか状態が改善して元の施設に戻れるようになるのではないかと僅かな期待を持っていました。
2. 家族の決断に対する迷い
- 「この判断で良かったのか?」という葛藤
施設は家族が選ぶケースが多く、常に「もっと良い選択があったのでは」と悩む気持ちがついて回ります。 - 罪悪感
「せっかく慣れてきたのに、また変えさせてしまう」という思いが強くなり、本人に申し訳なく感じることもあります。
3. 新しい施設への不安

- ケアの質や職員の対応
本当に安心して任せられるか、今より悪くならないか心配になります。 - 費用や距離の問題
経済的負担や家族が通う際の距離も大きな要素です。
新しい施設の方はどんな方だろう・・・
優しく接してくださるだろうか・・・
母が嫌な思いをしないだろうか・・・
家からの距離も遠くなるしこれまでのように外出で家に帰ってくる事もできないだろうな・・・
などなど不安は尽きません。
4. 家族自身の負担感
- 手続きや調整の大変さ
新しい施設探しや契約、引越し準備など実務的な作業が多く発生します。 - 精神的疲れ
本人を気遣いつつ、自分の生活や仕事との両立でストレスを抱えやすくなります。
5. 新しい施設を決めるときに大切にしたこと

まずは父の気持ちをしっかり聞きました。
父はこれまでの施設や母の主治医の先生をとても信頼していました。そのため、今後も母の体調が悪くなった時に安心してお任せできるよう、同じ系列の施設への入所を希望しました。
実家の近くにも別の施設はありましたが、緊急時の対応と主治医への信頼感からあえて少し遠くはなりますが家族が安心してお願いできる施設を選びました。
父と話をしながら、母が少しでも良い状態で日々過ごせるようにと父の母へ対する愛情を感じ、私もとても嬉しかったです。
まとめ
施設の変更は、ご本人にとってもご家族にとっても大きな出来事です。
慣れた環境でずっと生活できるのが理想ですが必ずしもそうではありません。
環境が変わることにご本人もご家族も不安な気持ちになりますし、金銭的な問題や距離など現実的な問題も重なってきます。
施設のスタッフやケマネージャー、相談員さんにそれぞれの気持ちをしっかりと伝え、不安が少しでも少なくなるように次の施設を決めていくことが大切です。
コメント