認知症患者が施設に入所するタイミングとは?判断のポイント|母の経験を通して

介護

はじめに

高齢化が進む日本では、認知症の家族を抱える方が年々増えています。自宅での介護を続けていくなかで、「いつ施設に入所させるべきか?」という悩みは、多くのご家族が直面する問題です。この記事では、認知症患者が施設に入所するタイミングの見極め方判断のポイントについて、私の母の経験をもとにお伝えします。


認知症介護が限界になるサインとは?

1. 日常生活が著しく困難になっている

  • ・食事や排泄、入浴など、基本的な生活動作に介助が常に必要
  • ・徘徊や火の不始末など、安全面に重大なリスクがある

2. 介護者の心身が限界に近い

  • 睡眠不足やストレスから体調を崩している
  • ・仕事や家庭生活に支障をきたしている

3. 医師やケアマネージャーからの助言

医療・福祉の専門家から施設入所を提案された場合は、重要なサインです


施設入所のタイミングを判断する3つのポイント

1. 本人の生活の質(QOL)が低下している

・自宅よりも専門ケアのある環境の方が安定する可能性が高いケースもあります。

2. 介護サービスだけでは対応できない状態

・訪問介護やデイサービスでは十分なケアが行き届かなくなった場合は検討時。

3. 事故やトラブルが続く

・転倒や火事の危険、近隣とのトラブルなど、自宅での生活に安全性の不安がある場合。


母の経験から

・脳出血で急きょ入院!

母の被害妄想が強くなって父の介護負担が日に日に増してきていたある日、

突然、母が脳出血で倒れました。

一命は取り留めましたが、安静によりすぐに足は弱り歩くことができなくなりました。

リハビリ目的で転院し、約半年間リハビリをしましたが、歩行は困難で車椅子生活になりました。

・在宅か施設か?

リハビリ病院に入院中は何とか歩けるようになって退院できるのではないかとわずかな希望を持っていましたが、現実は厳しく自力での歩行は困難でした。

また、退院間近で軽い脳梗塞も併発しさらに認知症が進行していきました。

母を家に帰らせてあげたい・・・

その気持ちはとても強かったのですが、実際介護するのは高齢の父であり、私は一緒に住んでいないため手伝うことができませんでした。

その後、父や兄弟とも相談し退院後は母を介護施設に入所させることを決めました。

自分は訪問看護師として仕事をしてきたのに結局親の介護もできないのか・・・と情けない気持ちにもなりました。

家族として施設に入れることに対して罪悪感のようなものがありました・・・。

仕事では何度か同じような場面に遭遇しましたが、実際に自分が同じ立場になって初めて家族の苦悩を実感しました。

幸い、自宅から近いところに小規模多機能ホームと特別養護老人ホームがありましたので、退院前からケアマネージャーに相談し、小規模多機能ホームでお世話になることにしました。

その理由は、これまで小規模多機能のデイサービスに通っていたので、母にとっても幾分慣れた環境で母の負担が少ないのではないかと考えたからです。


まとめ:入所は「安心」への一歩

認知症の進行や介護の負担は、時間とともに大きくなります。施設入所は、家族が無理をせず、本人に必要なケアを届ける選択肢のひとつです。

母の場合も様々な面から考えて、母も父も、そして私達子供も家族皆が少しでも良い状態でいれる方法はどれかを考えました。

母には申し訳ない気持ちもありましたが、自宅介護で疲弊したり家族がいがみ合ったりするよりも、時々会って笑顔で話ができる方がお互いにとって良いのではないかと思いました。

それぞれの家族の状況によって選択肢は異なりますが、「限界まで頑張る」のではなく、「笑顔で向き合える時間を大切にする」ために、早めの情報収集と専門家への相談は大切だと思います。

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