
今日は認知症初期に見られた母の実際の行動についてお話しします。
不安からくる行動 その1

炊飯器チェック✅
母は朝にご飯を炊く習慣がありました。
昭和の女性らしく朝はご飯を炊き、味噌汁も毎日きちんと作っていました。
夜になると、翌朝のご飯が炊き上がるように炊飯器がちゃんとセットできているかとても気になるらしく、寝付くまでに何度も何度も炊飯器の蓋を開けては閉め、開けては閉めを繰り返しました。
母は認知症による記憶障害のため5分前のことも覚えていません。
炊飯器を開けてお米と水がセットされていると安心して布団に入るのですが、5分も経たないうちに「お米研いでセットしたっけ?」と不安になって起きてきて炊飯器をチェック✅します。
この行動は毎晩母が眠りにつくまで何度も繰り返され、そばで見ている父はかなりのストレスを感じていました。
病気だから仕方ない・・・と頭では理解できても、目の前で同じ行動を何度も繰り返されると、父自身も眠れずイライラしてきても当然です。
母はなぜこの行動を取ったのか?
私なりに考えた結果、
きっと母は「朝夫が起きてきた時には食事をきちんと準備しておかないといけない!」
と思ったのではないかと考えます。
今思えば、父への愛情と責任感からくる母なりの行動だったように思います。
不安からくる行動 その2
自分の持ち物チェック✅
母は外出する際は自分のバッグを持って父と一緒に外出していました。
車の中で母は、
「お金は持ったかなぁ?」
と財布が気になり、目的地につくまで何度も何度もバックの口を開け財布を確認していました。
財布を見たら一旦は安心しますが、バックの口を閉めた途端同じ不安が押し寄せてくるようで、またバックを開け財布を確認します。
元気な頃から「きちんと準備をして落ちがないようにしておく」いう性格の母だったので、外出先でお金が足りないということは絶対にあってはならないことだったのだと思います。
こんな母を隣に乗せ、よく事故を起こさなかったなぁ・・・と父には感謝です。
不安からくる行動 その3
父に女がいる!?

母の一番困った被害妄想はこれでした😥💦
「父に女がいる。」
父が近所の方と電話で話していると、
「女の人と話してる!」
と嫉妬深い目で父を見ていたのを思い出します。
挙げ句の果てには、父がいびきをかいて寝ているのをそばで見ていた母が、
「女の人と話をしている」
と言ったときは本当にやばい!と思いました。
否定は良くないと分かってはいるものの、日々介護を頑張っている無実の父を守りたくなるのは当然です。
この頃は何度も母と口喧嘩もしたし、万が一父が母に手を上げるようになったらどうしよう・・・と思いました。
母というよりも父のメンタルが心配で、この頃は2週間に1回実家に帰り父の話をよく聞くように心がけていました。
父には、「もし1回でも母に手を上げることがあれば、すぐに母を入院あるいは施設に入れて物理的に距離を取るからね」と伝えていました。
それくらい父のストレスは増しており、母の被害妄想もひどくなっていました。
正直私も2週間に1回とはいえ、実家に帰るのが苦痛になっていました。
母は自分が自分でなくなっていく恐怖を感じ、一番信頼している父に捨てられるのではないか・・・という大きな不安が被害妄想として現れたのではないかと思います。
母には「お父さんは家でお母さんと一緒にいてくれるから心配しなくて大丈夫だよ」
と繰り返し伝えるようにしました。
結論
私が思う認知症による被害妄想は、その人の性格やこれまでの生活習慣、育った環境などに大きく影響されるように思います。
被害妄想を考えるとき、なぜそのような言動が見られるかを、その人を取り巻くさまざまな方向からアセスメントしていくことがとても重要です。
その人に興味を持ち共感することで相手も少しずつ心を開いてくれます。
そこから被害妄想の原因と対処法が見えてくるのだと思います。
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