「孝行したいときに親はなし」
50代にもなるとこの言葉が身に沁みます。
子育てがひと段落したら親の介護が始まる。
そんな方も多いのではないでしょうか?
- 親のことは心配だけどどうしたら良いのかわからない・・・
- 気にはなってるけど仕事も忙しくてなかなか会いに行けない・・・
- いまいち足が向かない・・・
皆さんそれぞれいろんな理由がありますよね。
「あの時こうしてれば良かった・・・」と後悔しないために、今できることを1つでも行動に移せるきっかけになったら嬉しいです。
母との思い出
私の部屋から見えるお隣の庭に「サルトリイバラ」の葉が勢いよく伸びています。

毎年この時期になると、ぐんぐん伸びて大きな葉を付けるサルトリイバラを見ては母が元気だった時のことを思い出します。
母は70代後半から認知症になり、現在は施設でお世話になっています。
3年前には脳出血を起こし命の危険もありましたが、幸い一命を取り留め退院することができました。
家で過ごさせてあげたい気持ちは山々でしたが、高齢の父一人ではとうてい介護は難しく施設でお世話になることにしました。
母が脳出血で倒れる前は、認知症はあるものの自宅で父と二人で生活しトイレや入浴も自分でできていました。
私は父の介護負担を少しでも軽減しようと2〜3週間ごとに実家に帰るようにしていました。
母は料理がとても上手で、この時期になると山からサルトリイバラの葉を取ってきては「しば餅」を作っていました。(西日本ではかしわ餅を作る際にこのサルトリイバラの葉を使うようです。)
認知症になってからは、母は料理をするのが困難になっていました。
そんな中、私は懐かしい「しば餅」を母と一緒に作ってみたくなり母とサルトリイバラの葉を取りに山へ行ったことがあります。
話をしながら一緒に葉っぱを取った母の姿が今も忘れられません。
今の母は車椅子生活で歩くことはできません。
認知症も徐々に進行し、人が言っていることは理解できるようですが自分の意志を伝えるのが困難で発語も少なくなっています。
もっとたくさん話したり、いろんなことを教わっておけば良かった・・・と今となってはそう思います。
できることは今やろう
親のことは気になるけど、なかなか帰れないし・・・
ついつい仕事が忙しくて・・・
その気持ちよく分かります。
私も母が認知症ということもあり、正直実家に帰るのが億劫な時もありました。
でも、時が過ぎて初めてその時間の大切さに気付きます。
もし忙しくて帰れなくても電話をしたり、何か好きなものを送ってあげてもきっと親は喜ぶのではないでしょうか?
人の命はいつどうなるか分かりません。
どんなに小さなことでも今できることをひとつすることで、もしもの時の後悔はほんの少しでも少なくなるように思います。
今年もサルトリイバラの葉を見ながら母との楽しかった日を思い出し「また顔を見に行くからね!」と心に思っています。
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